塩鰹　しおかつおと西伊豆カツオの歴史

その昔、平城京に税金として、荒堅魚が西伊豆の田子地区から奈良の都に献上されました。


荒堅魚とは、カツオを干し乾燥させ固めたもの（塩漬けして乾燥とも）とされています、今から
約1300年も前のことです。荒堅魚は、潮鰹の原型ともいえます。田子地区では、そんな昔から
カツオを使った加工品を販売していました。また、カツオの一大産地としても栄え、全盛期には
50数船のカツオ船が田子漁港に並び近海カツオの拠点としてにぎわっていました。


その様なカツオの古い歴史を持つ地区で「しおかつお」は作られています。古くから伝わる製造法
によって作られる「しおかつお」はこの西伊豆の製法、気候や風土がなければ作ることができない
唯一のもので、現在西伊豆でしか作られていません。


「しおかつお」はたくさんの塩を使い数日間じっくり漬け込み、ゆっくりと西伊豆の気候の中、乾燥
させ作られています。食べ方は一般の新巻鮭と同じですが、とても塩辛いため少しの量で独特の
クセになる旨みが味わえます。

一度焼いてからお茶漬けやうどん、お吸い物などで地元では食べられています。

またお出汁代わりにお鍋に一切れ入れたり、スライスして甘酢漬けにしたり、「しおかつお」をよく
焼き、細かくほぐして、調味料（塩の代わり）としてサラダに一つまみ入れたり、工夫次第でとても
美味しく召し上がれます。



最もオススメの食べ方はお茶漬けです。しおかつおの焼き身を10ｇ程度ご飯にのせて熱々のお湯
やお茶、鰹のだし汁をかけて食べる
お茶漬けです。塩で凝縮された鰹の旨みがジワッっと溶け出し、日本人がホッとする味です。


「しおかつお」は保存食のため、とても塩辛いですが他に類を見ない旨味と、伝統ある歴史とを兼
ね備えた世界に誇れる逸品といえます。


「しおかつお」とは、カツオを丸ごと丁寧に塩漬けし乾燥して作られる西伊豆の伝統的な塩蔵保存
食です。正月魚（しょうがつうお）と言われ、縁起の良い魚として、商売繁盛や開運・家族の繁栄な
どを祈念して作られています。

そんな希少で、縁起の良い魚「しおかつお」の旨味を美味しく食べていただけるのはお茶漬けが
おすすめです。

しおかつおは潮かつお、塩かつおとも書かれます。